こんにちは、今日は新規事業のマーケティング戦略考案に有効なSTP分析について説明します。
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目次
STP分析とは
STP分析とは以下の頭文字を繋ぎ合わせたマーケティング手法です。
–Segmentation(セグメンテーション):市場細分化
–Targeting(ターゲティング):狙う市場の決定
–Positioning(ポジショニング):自社の立ち位置の明確化
マーケティングで有名なフィリップ・コトラーが提唱したフレームワークで、業種や商材などを問わず活用できます。
例えば新事業・新サービスの立ち上げ・販売方法を検討する時や、起業直前の戦略立案時などに最適でしょう。
セグメンテーションとは
セグメンテーションは市場細分化と訳せるように、対象市場の想定顧客層を細かく分けて考えることです。
この作業の目的は市場の中からニーズ適合度の高い魅力的な顧客グループを見つけることです。顧客のニーズを探る視点から顧客グループを見つけることが成功への近道です。
漠然と「まあとりあえず商品出せば誰か買ってくれるっしょ」と考えて売るよりも、具体的にどんな人たちのための商品なのかを明確にした方が販売効率は良いです。
でも最初はどのようにターゲットを細分化すれば良いのかわかりませんよね?
企業によっては独自の指標を持ってることもありますが、基本的な指標は決まっているので安心してください。
セグメンテーションの指標
BtoC,BtoBによって異なるので順に説明します。
消費財市場(BtoC)のマーケット セグメンテーション変数
デモグラフィック変数
・地理的変数
居住地域:国、都市
市あるいは都市の規模:5000人以下、5000~2万人未満、2万~5万人未満、2万~5万人未満、5万~10万人未満、10万~100万人未満、100万人以上、
人口密度:都市部、郊外、地方
気候:北部、南部
人口動態:年齢/性別/世帯規模/ファミリー・ライフサイクル/所得/職業/教育/居住地域
・心理的変数(サイコグラフィック変数)
社会階層:下の下、下の上、労働者、中流、中の上、上の下、上の上
ライフスタイル:実現派、渇望派、生活困窮者(平日は仕事で帰宅が遅く、休日はショッピング、など)
パーソナリティ:弾圧的、社交的、権威主義的、野心的
購買行動変数
購買状況:通常の状況、特別な状況
求めるベネフィット:品質、サービス、経済性、利便性、迅速性
使用者タイプ:非使用者、過去の使用者、潜在的使用者、はじめての使用者、常時使用者
使用率:少量使用者、中量使用者、大量使用者
ロイヤリティータイプ:なし、中、高、絶対的
購買プロセス:未認知、認知、理解、関心、欲求、購買意思
製品に対する態度:熱狂的、肯定的、無関心、否定的、敵対的
生産財(BtoB)のマーケット セグメンテーション変数
デモグラフィック変数
業種・業態:顧客企業の業種や業態、取り扱い商品、民間企業/官公庁など(どの業界に焦点を絞るか)
企業規模:人数や売上規模など(どの規模の企業に焦点を絞るか)
所在地:顧客企業の地域や製品が利用される地域(地理的にどの地域に焦点を絞るか)
オペレーティング変数
技術:どの顧客技術に焦点を絞るか
使用者のタイプ:大量消費者、中量消費者、少量消費者、未使用者
顧客の能力:多くのサービスを必要とする顧客、あまり必要としない顧客
戦略変数
顧客の戦略 (コストリーダーシップ、高付加価値戦略、等)
状況要因の変数
緊急性:定期発注か、突然の注文に応じるか、24時間サポートをするか、など(迅速な納入やサービスを望む企業に焦点を絞るか)
汎用性・特定の用途:(カスタマイズを要さない/要するなど
注文の数量、新規購買/継続購買:大口注文する企業、小口注文する企業に焦点を絞るか
行動特性変数
意思決定プロセスの長短
DMUの構造
セグメンテーションの留意点
この作業の時には以下の4Rに気をつけましょう。
・Rank:優先順位
・Realistic:有効な規模
・Reach:到達可能性
・Response:測定可能性
STP分析は面倒な作業ですが、やって損はないので頑張ってください!
ターゲティングとは
ターゲティングとは、セグメンテーションした顧客グループから自社の製品を購入してもらえるグループを絞り込むことです。
セグメンテーションは、あくまでターゲットを選定する(あるいは、ターゲットでない顧客をを明確にする)ためにおこないます。つまり、ターゲットを明確に定めずに、セグメンテーションだけを行っても戦略実行につながりません。
自社の製品に最もニーズがマッチしている顧客グループを見つけ、そこにリソースを集中投資していくことで、成功の確率を高めることができます。
基本は自社の製品を最も魅力的だと評価してくれる顧客は誰か?という視点で、更に市場視点(市場規模や成長性)、競合視点(競合の脅威)、自社視点(強みの活用)といった視点も合わせてターゲットを絞り込みます。
ターゲティングの種類
無差別型ターゲティング
セグメンテーションで見えた市場を無視して、同じ商品をすべての市場に提供するターゲティング手法です。
例えば、ボールペンを販売する際、大学生や会社員など、セグメンテーションで見えてくる市場はいくつかあります。しかし、非常に幅広い層が使うため、それぞれに対し特別なプロモーションを行うのではなく、一括してメッセージを届けたほうが効率的かもしれません。
食料品や日用品などに多いターゲティング戦略です。
差別型ターゲティング
複数の市場に対し、それぞれに最適化された商品・サービスを提供する方法です。
例えば、ネットフリックスにはベーシック、スタンダード、プレミアムの3つのプランが用意されています。これは、家族構成や画質へのこだわりなど、ユーザーのニーズによって最適なプランを用意している例です。
集中型ターゲティング
セグメンテーションで見えてきた市場のうち、最も魅力的な1つの市場に注目する戦略です。高級商品やベンチャー企業によくみられるターゲティング戦略です。
数千万円以上もする高級自動車メーカーであるランボルギーニは、富裕層の一点に絞ってプロモーションを行っています。その一点でのブランド力を保つため、安価な製造ラインを持つこともありません。
ターゲティングで有効な6R
- Realistic Scale:市場規模
市場の規模が小さすぎたら意味がないので、選択する市場の規模は事業が成り立つのに十分なだけの大きさであることが必要です。
- Rate of Growth:成長見込
選択する市場はただ大きければ良いというわけではありませんし、衰退していくことが明らかな場合は避けなくてはいけません。
そのため選択する市場は成長が見込めるか必要があります。
分析を行った時点では規模が小さな市場でも、その後成長していけば先行者利益を得ることも可能です。
- Rank/Ripple Effect:顧客優先順位・波及効果
自社商品・サービスの優先度や関心が顧客にとって高いことも重要です。
優先度が高いものならSNSシェアなど、波及効果が期待できます。
- Reach:顧客への到達可能性
ターゲティングによって選択する顧客は、ビジネスを行う際に実際に到達できるものでなくてはなりません。
- Rival:競合
競合他社が市場独占している、もしくは数社による寡占状態の市場の魅力は低いです。
ただ完全競争に近いような市場でもリーダーがいない場合は、差別化によってパイを獲得できる可能性もあります。
- Response:反応測定可能性
広告などのアプローチの反応や効果が測定できるのかについても、ターゲティングを行うに当たっては念頭に置かなくてはなりません。
マーケティング思考をより身につける場合、特にこちらの本がおすすめです。マーケティングの本でしっくりくるものが少ないのですが、過去1で勉強になりました。