こんにちは、今日は財務三表のひとつキャッシュフローについて説明します。
会社経営において最も重要なことは「お金を枯渇させない」ことです。どんなに経営状況が悪くても、社員が大量に退職してしまってもお金があれば潰れることはないからです。
その「会社のお金の事情」を最も詳細に表しているのが「キャッシュフロー」になります。
従ってキャッシュフローを理解することは経営者だけではなく、株式への投資を考えている人にとっても重要なのです。
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P/Lとキャッシュフローの違い
P/Lには非資金損益項目(減価償却、有価証券評価損などなど)があるので、会社の現金増減はぼやけてしまいます。
キャッシュフローでは非資金損益項目を調整して会社のキャッシュ保有金額、増減、使途などがわかるので、より鮮明に会社のお金事情を理解することができます。
だから投資家の中にはP/L,B/Sよりもキャッシュフローのチェックを最初に行う人も多いです。
例えば年度末には「◯◯株式会社 巨額減損によって巨額赤字」なんてニュースが流れること多いですよね。
でもP/Lでみると赤字だけどキャッシュフローだとプラス、つまり現金は増えているなんてケースも多いんです。
キャッシュフローの構成
キャッシュフローは以下の3項目にわかれます。
・営業活動によるキャッシュフロー:会社の本業でどれくらい現金が増減したのかを記載
・投資活動によるキャッシュフロー:設備投資や他社への投資活動でどれくらい現金が増減したのか記載
・財務活動によるキャッシュフロー:自社の資金調達活動でどれくらい現金が増減したのか記載
ケーススタディー1:日産
以上の情報を踏まえて日産の決算短信をみてみましょう。
https://www.nissan-global.com/JP/DOCUMENT/PDF/FINANCIAL/ABSTRACT/2020/20201st_financialresult_321_j.pdf
[P/L]
売上高:1,174,194
営業損失:△153,926
純損失:△284,296
[キャッシュフロー]
営業キャッシュフロー:20,539
投資活動によるキャッシュフロー:△206,085
財務活動によるキャッシュフロー:10,176
現金及び現金同等物の増減額:△182,247
2021年3月期 第1四半期決算短信はゴリゴリの赤字です。悲惨なくらい。営業損失がでているので本業で思いっきり赤字を垂れ流している状態です。
でも営業キャッシュフローは税引後でも約200億円のプラスを維持しています。
巨額借入を発表したので財務活動によるキャッシュフローはもっとプラスかと思いましたが、中身をみてみると借換え?のような形になっていてあまりここでのプラスはありませんでした。
最悪の中でもなんとか本業でキャッシュを確保しましたが、投資活動の大きなマイナスに引っ張られて全体でみるとキャッシュは流出しています。
ケーススタディー2:ソフトバンクグループ
四半期で過去最大の黒字を計上したソフトバンクグループの決算をみてみましょう。
[P/L]
売上高 :1,450,055
営業利益*:1,205,506
純利益 :1,255,712
*営業利益を開示していないため、「投資損益合計+非継続事業からの純利益-販管費」で算出
[キャッシュフロー]
営業キャッシュフロー:152,024
投資活動によるキャッシュフロー:1,241,103
財務活動によるキャッシュフロー:1,415,375
四半期ベースで過去最高の純利益を計上したソフトバンクですが、キャッシュフローでみてみるとほぼ本業ではキャッシュを稼いでいないとわかります。
これをどうみるかは人それぞれですが投資家からはあまり受け入れられていないようです。
ソフトバンクG株、5カ月ぶりの6日続落-最高益決算も一時的要因
ソフトバンクグループ株が5カ月ぶりに6営業日続落した。4-6月期(第1四半期)の純利益は四半期ベースとしては過去最高を記録したが、TモバイルUS株の売却関連利益の計上など一時的な効果が大きかった。
https://www.bloomberg.co.jp/news/articles/2020-08-12/QEX92WT1UM0X01
最後に
P/L,B/Sだけでなくキャッシュフローをみることも非常に重要です。
不定期でキャッシュフローの3項目について詳しく解説します。
[…] 前回の記事のケーススタディでも用いた日産自動車の決算短信を使って説明をしていきます。 […]