世界標準の経営理論(著:入山 章栄 早稲田大学大学院・ビジネススクール教授)の理解を深めるために、内容のまとめをアウトプットしていきます。
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今日は認知心理学ベースの進化理論についてまとめます。
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ルーティンとは
ルーティンの特徴
1)繰り返される行動パターン
2)状況の変化によって変わることもある行動パターン
1)繰り返される行動パターン
進化理論のルーティン:個人ではなく組織・集団が繰り返す行動パターン
ルーティン
組織のメンバーが同じ行動を繰り返すことで共有する、暗黙知と形式知を土台にした行動プロセスのパターン
組織が進化するための必要条件
ルーティンのポイント:行動
単純な知識だけでなく、組織の人々がともに同じ業務プロセスを繰り返し行動することでパターン化され、無意識に埋め込まれる必要がある
ルーティンが組織にもたらす3つの効果
1.安定化(Stabilization)
ルーティンは組織に安定化をもたらす。行動プロセスが平準化されればコミュニケーション効率が向上し、コーディネーションが容易になる。
2.記憶(Memorization)
ルーティンは記憶に知を埋め込むメカニズムであり、組織の記憶の仕組みと言える。
ルーティンがTMSやSMMと異なるのは、ルーティンはノウハウなどの暗黙知の保存を強調すること
3.進化(Evolution)
ルーティンの充実した組織は、認知キャパシティに余裕が生まれて、新たな知を受け入れられるようになる。
2)状況の変化によって変わることもある行動パターン
ルーティンは進化・変化のために必要であり、進化を促すようなものでなくてはならない
ルーティンの進化の3つの特性
1.漸進的な変化(Incremental change)
進化する際、それ以前に形成されたルーティンに縛られるから、ルーティンの進化・変化は徐々に進む「漸進的」なものになる。
ルーティンにはサーチによって得た広域な知を享受できる許容力が必要であり、その能力を吸収能力(Absorptive capacity)と呼ぶ
2.経路依存性(Path dependence)
一度築いたルーティンの方向性を、急激に大幅に変えることは難しい。
出来上がってきた経路によって、進化の方向性は制約を受ける
3.硬直化(Inertia)
安定化が行きすぎる、組織メンバーが既に埋め込まれた内部ルーティンだけに依存するようになる。
結果的にサーチ活動を怠ったり外から得た知を受け付けなくなるので組織の進化は止まってしまう。
ルーティンが進化を止める危険性
ルーティンが硬直化しやすい3つのポイントがある。
1.繰り返しの行動の頻度(Frequency)
同じ行動パターンを繰り返す頻度を極度に高めすぎれば、ルーティンは硬直化する。
2.行動パターンの一定性(Regularity)
行動パターンが一定のペースであまりにも長く繰り返されることも、ルーティンの硬直化に繋がる。
3.時間プレッシャーなどの外部ストレス(Pressure,Stress)
時間のプレッシャーなどの「ストレス」が組織にかかると、ルーティンが硬直化する傾向も明らかになっている。
ルーティンを進化させ続けるにはそもそも進化を前提としたルーティン作りが必要であり、「①適度な頻度」で「②時にイレギュラーな行動パターン」を織り交ぜ「③性急に結果を求めない」ことが重要
変化対応で怖いのはリソースではなくルーティン
ルーティンは急激なビジネス環境の変化が起きると足かせになる。
例えば1990年代のアメリカ新聞社はIT化の波に襲われていたが、ほとんどの新聞各社は「リソースは十分に振り分けられたのに、ルーティンが硬直していたがゆえに、変化に対応できなかった」と研究で明らかになっている。
ルーティンを作り直せ
上述のアメリカ新聞社の研究結果は、日本の大企業にも大いに示唆がある。
ポイントは変化を阻むのはリソースではなくルーティンということ
ビジネス環境の変化が激しい昨今の情勢では、ルーティンをゼロベースから作り直す覚悟が必要になる。
ルーティンは現場・組織を作る上で欠かせない。しかし大きな環境変化において、ルーティンは足かせともなる。
良品計画の「進化するルーティン」
良品計画のマニュアル:MUJIGRAM
思想:マニュアルに完成はない
特徴:マニュアルを本部が作って社員に100%従わせることを目指していない。現場がマニュアルを絶えず改訂し続けることで「常に改善する」姿勢を組織の行動パターンとして「ルーティン化」している。
改訂頻度:月に一度。現場と本部がコミュニケーションをとって改訂している。
ポイント:ある程度日々の行動パターンが標準化されているからこそ、スタッフの認知キャパシティに余裕が生まれ、改善点を見つけることができる。標準化自体は悪ではない。行き過ぎた標準化が悪