経営

【経営理論】ゲーム理論②【理解と実践】

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今日は前回の続き、ゲーム理論②についてまとめます。

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同時ゲームと逐次ゲーム

同時ゲーム(simultaneous game):同時に意思決定する状況
逐次ゲーム(sequential game):順番に意思決定する状況

非協力の同時ゲーム(上半分)の競争で実現する均衡をナッシュ均衡という

逐次ゲーム:B社がリーダーの場合

・B社が次年度の生産計画を先に決定し、その後A社が生産計画を決める
・選択肢は増産or現状維持
・非協力ゲーム

B社のポイント:A社の反応を予測しながら自社に都合のいい方向にA社の意思決定を誘導できる

B社の立場に立って予測

  • B社が増産する場合

A社の利益は現状維持なら18億ドル、増産なら20億ドル
A社は増産した方が良い(シナリオ4)

  • B社が現状維持する場合

A社の利益は現状維持なら23億ドル、増産なら18億ドル
A社は現状維持した方が良い(シナリオ1)

B社の意思決定

シナリオ1or4どちらの方が自社の利益が大きいか考える
結果、シナリオ1の方が利益は大きいのでB社は現状維持を選ぶことになる

同時ゲームと逐次ゲームで意思決定は異なる

仮に今回同時ゲームだとするとナッシュ均衡はシナリオ4となる。ただ上述した通り、逐次ゲームだとナッシュ均衡はシナリオ1だ。

B社の利益を両パターンで比較するとシナリオ1の方が2億ドル高くなる。
つまり先手を打てるリーダーのB社は、逐次ゲームの方が同時ゲームよりも自社に有利な状況を作りうるのだ。

同時ゲームと逐次ゲーム

A社の経営幹部が自社の利益を少しでも多くするためには

非協力の同時ゲームとして考えた場合、ナッシュ均衡はシナリオ2となる。ただ、A社幹部としては少しでも利益を多くしたい。
では、シナリオ2よりも利益の多いシナリオ1or3にするには、どうしたら良いか。

答えは先に宣言することだ。
「翌年度は必ず増産する!」と宣言することで、B社に残された選択肢はシナリオ3or4になる。
両者を比較するとシナリオ3の方がB社にとっては利益が多いので、B社は現状維持を選択するだろう

つまり、仮に最初は同時ゲームだったとしても先に宣言することで、ルールを変え逐次ゲームにして自社に有利な状況を生み出すことができるのだ。

ゲームを変えて逐次ゲームのリーダーになるためのポイント

「先に宣言することで逐次ゲームの状況を生み出す」戦略の重要ポイント2点

  • 宣言が信用できるものであること

上述の例なら口先だけで「増産」と宣言しても、翌年A社が増産しない可能性も残るならB社も増産を選択してしまう可能性がある。

従って宣言するだけでは不十分で、実際の行動をもとにB社へ不退転の決意であることを示す戦略的コミットメントが必要である。
例えば設備投資のための巨額銀行借り入れやMAなど

戦略的コミットメント(strategic commitment)

撤回できないリスクを取ることで、相手に「自分は絶対に引かない」ことをわからせる

  • 宣言する戦略は「増産」「現状維持」のどちらが良いか

上述の例であれば「増産」が良い選択肢であった。

一般に生産量などの「数量」を軸に競争するときは、現状維持よりも増産のような「強気な戦略」の方が、自社に有利になりやすい。

自社が強気の戦略(増産)を取ると相手が過剰供給を恐れて弱気の戦略を取ると想定されるとき、「両社の戦略は代替的(strategic substitutes)」という。この場合は強気の戦略を選ぶべき。

逆にフォロワーもリーダーと同じ戦略をすると想定される場合「両社の戦略は補完的(strategic complements)」という。
この場合、強気の戦略は裏目に出やすい。

例えば価格を軸にした競争戦略は補完的になりやすい。リーダーが強気に価格を下げてもフォロワーも追随して価格を下げて、体力勝負の価格競争となって両社とも利益を失うからだ。

従って両社の戦略が補完的と予測が立つなら、逐次ゲームでは価格維持などの弱気な戦略が有効になる。

ベルトラン・パラドックスが起きない第3の条件

前回の記事ではベルトラン・パラドックスが起きない条件「十分な差別化の有無」「投資ステージの違い」を挙げた。
ただ最も重要な理由がある。

それは「両社の競争がその年限りで終わる(1回きりのゲーム)」ということだ。

ライバル関係が続く場合、両社が合理的であればあるほど、不毛な価格競争を避けるために価格を下げなくなるのだ。これをフォーク定理(folk theorem)という。

アメリカシリアル業界で起きた異変の結末

アメリカのシリアル業界は5社の寡占状態が続いており、各社のROEは30%以上を保っていた。

しかし1994年に業界2位の企業が値下げを行い、不毛な価格競争に陥った。
その結果、シリアル業界はベルトラン・パラドックスに陥り大手5社全て大きく利益率を落とした。

その後2001年に値下げを始めた企業が「値下げを撤回」を宣言した結果、不毛な価格競争は終わり各社の利益率は改善した。

このことからもわかる通り無限繰り返しゲームでは
「互いに傷つけ合うのは合理的ではないから、こちらも攻撃しないし、相手も攻撃しないだろう」
という、言わば相手を合理的に信頼する状況が起きているのだ。

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