世界標準の経営理論(著:入山 章栄 早稲田大学大学院・ビジネススクール教授)の理解を深めるために、内容のまとめをアウトプットしていきます。
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今日は序章の「そもそも経営理論とは?」についてまとめます。
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そもそも経営理論とは?なぜ必要なのか
まず前提として理論とは何かについて経営学者の間で定義は固まっていない。そのため本書では以下のように定義した。
「経営・ビジネスのHow,When,Whyに応えることを目指すもの」
How:理論と結論の因果関係のこと
(例)
「XがYに影響を与え」「Xが高まればYも高まるので、その関係はプラス」
→この関係を示すのがHowに応えること
When:ある理論が通用する範囲のこと
(例)
大企業に当てはまる理論でもスタートアップのことは説明できない。
欧米で通用する理論でもアジアでは当てはまらないかもしれない。
→理論が持つ仮定・条件からその適用範囲を明確にすることが、Whenに応えること
Why:「人・組織は本質的にどのように行動するか」の基本原理のこと
最も重要な点。How・Whenを示しても”Why”がなければ人は動かないし、因果関係を論理的・整合的に説明することができない。
今こそビジネスパーソンに経営理論が必要な理由
3点「説得性」「汎用性」「不変性」の理由から経営理論が必要である。
説得性
・Whyの説明がなければ人は動かない。
現代の変化が激しいビジネスでは正解がない中で行動を選択し続ける必要がある。そして人が(納得して)動く時にはWhyに対する明確な答えがなければならない。
そこに必要なのが経営理論である。
経営理論はビジネスパーソンに意思決定をするための「思考の軸」となり得るため、「なぜこの意思決定をしたのか?」に対する明快な説明を与えることができる。
意思決定に対して腹落ちする説明が与えられた時、それは人の”行動”を促す。逆に腹落ちしなければ人は行動しない。
経営理論は机上のためにあるのではなく、行動のためにあるのだ。
汎用性
理論ドリブン思考の方が圧倒的に汎用性が高い。目指すべきは理論ドリブンによる「知の往復」
本書の理解で重要な点が「現象」と「理論」の区別である。
現象:実際のビジネスの様々な事象・課題
理論:事象を鋭利に切り取る思考の軸
また、思考方法においても現象と理論の区別が必要である。
現象ドリブン:現象を思考の出発点にするタイプ
理論ドリブン:理論を思考の出発点にするタイプ
世に出回っているMBA本やビジネス書、経営書は「現象ドリブン」であるが、目指すべきは「理論ドリブン」だ。
なぜなら1つの現象を説明できる理論は無数にあるため、「現象ドリブン」だと選択に対するWhyへの応えが薄く、浅くなってしまうからだ。
その点、世界で標準的に使用されている30程度の理論を厚く、深く理解することができれば、1つの理論を思考の軸にして様々なビジネスの本質を切り取ることができる。
しかし日々のビジネスでは現象が先に発生するため、当然現象ドリブンの思考となってしまう。
ただ、ここで逆に理論ドリブンの思考を持つことができれば、理論と現象による知の往復が可能となり普段のビジネスを深く・圧倒的に広く考える力を身に付けることができるようになる。
不変性
しばしば経営学は後追いの学問と言われるが、それは間違っている。
・現代でも圧倒的に重要な「取引費用論」:論文発表 1937年
・SNS理論の白眉と言える「弱いつながりの強さ理論」:論文発表 1973年
・ソーシャルファイナンスに使われる「ソーシャルキャピタル理論」:論文発表 1988年
上記はあくまでも一例だが、過去の理論が現在でも通用することは明らかだ。従って理論は古びることなく、不変性を持っていると言える。
以上の理由から経営理論がビジネスパーソンに必要なことを明らかと言える。