こんにちは、今回は内部留保に課税できない理由について説明します。
内部留保を理解したい人は過去の記事を読んでください。
1.基本的な説明
2.具体例を交えた説明
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過去の騒動
「1.基本的な説明」にも記載しましたが、過去希望の党が内部留保に課税しようとして批判を浴びました。
希望の党が政策集原案、内部留保に課税検討
消費増税を先送りすれば財政悪化は避けられない。原案では増税の代替財源として「約300兆円もある大企業の内部留保への課税を検討」と明記。「内部留保を雇用創出や設備投資に回すことを促し、税収増と経済成長の両立を目指す」と指摘したが、財政再建目標は示していない。
https://www.nikkei.com/article/DGXMZO21888500U7A001C1PP8000/
何が問題なのか
確かに上の記事に記載されている通り、企業の内部留保300兆円に課税できれば政府にとっては素晴らしいことですね。
なぜなら仮に10%課税とした場合、新たに30兆円もの財源を確保できるからです。
ただこれは人気を取りたいだけの愚策でしかないので、世間から批判を浴びまくりました。
何が問題だったのかP/L,B/S
1.希望の党が対象とする内部留保とは?
そもそも内部留保とは何を指すのでしょうか?今までの記事を読んでくださった方はお分かりと思いますが、内部留保という項目はありません。
強いていうならB/Sの利益剰余金を内部留保と読み替えることが可能です。しかし当該記事を読み解くとP/Lの当期純利益のことを言ってるように感じます。よくわかりません。
そこでP/L,B/Sの視点から内部留保への課税を考えてみます。
2.P/Lだと二重課税になる
仮に当期純利益に対して内部留保課税をした場合、二重課税となってしまいます。当期純利益は税金を支払ったあとに残る利益なので、そこに更に課税するのは意味がわかりません。
仮に法人税などに内部留保税を組み込むのであれば、大企業が日本から出ていくので逆に税収が減ることになります。
なぜなら日本の実効税率は既に約30%もあって、世界的にみても税率の高い国だからです。
消費増税の3%分追加するとしても世界No.1になります。今の日本マーケットにそれだけの税金を支払っても留まるメリットがあるのでしょうか?
3.B/Sだと実体が無いことに課税することとなる
では続いて利益剰余金への課税はどうなのでしょうか?
ナンセンスです。「2.具体例を交えた説明」で説明した通り、利益剰余金 ≠ 現預金額です。
利益剰余金は過去の成績の積み重ねなので、それと同額の現金は企業にありません。
しかも利益を少しでも出していれば毎年利益剰余金は多くなるので、税金がどんどん増えることになります。利益剰余金を減らすには赤字を続けるしかありません。
企業はたまったものじゃありませんし、税金を支払うためにせっせと現預金をため込むことになりそうです。
果たしてこんなことをされる日本にわざわざ進出する企業はあるのでしょうか?
では課税策はあるのか?
無いと思います。
そもそも内部留保課税の目的は企業への投資促進(設備・人)なので、私は減税&解雇のハードルを下げることが良いと思います。
キャッシュリッチになって人材の流動性が高まったら、優秀な人を雇うために高級を支払うしかなくなります。更に職場環境にも気を使わないといけないので、設備投資も活発になると考えています。
話が逸れてしまいましたが、本題に移ります。
仮に新たな課税策を導入するなら、現預金に対して課税するしかないのではないでしょうか。
手持ち現金があまりに多かったらそこに対して課税をする。こうすると企業は余計な現預金を持たないようにするため、設備・人への投資を増やすかもしれません。
これに近い思想がマイナス金利の導入だと思います。きちんと調べてないのではっきりとしたことを言えませんけど。
まあ現預金に対する課税は非現実的です。2点理由を挙げて説明します。
1.過剰な現預金の判断が困難
業界・業種によって適切な現預金額は異なります。
多額の現預金が必要な業種があれば、そこまで必要としない業種もあります。業種によって異なる適切な税率を設定するのは困難です。
更に大企業であればあるほど様々な事業を行なっています。例えばSONYは製造業系だと思いますが、2000年代は金融・エンタメ系事業などで稼いでいました。
こういった場合、どうやって事業を特定して税率を決めるのでしょうか。
2.倒産率が高まる
簡単に想像できますが、余剰現預金を持つことができないので企業体力がなくなります。結果、少しでも不況になるとバタバタと倒産し始めます。
結論
内部留保課税はお話になりません。
希望の党に変な入れ知恵をしたのは誰なんでしょうか?実現しなくて本当に良かったです。
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