こんにちは、前回からの続きです。
今回は例を挙げて内部留保が貯金と違うことの説明をします。
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(例)
2020年4月貿易業を営むA社が新たに設立されました。
設立時のB/Sはこんな感じです。
B/S
資産の部
現預金:10百万
——————————-
資産合計:10百万
負債の部
負債:0
純資産の部
資本金:10百万
——————————-
負債・純資産合計:10百万

第1期
その後、無事に第1期決算が終わってP/L・B/Sが以下の通りになりました。
P/L
売上:10百万
費用:8百万
当期純利益:2百万
ただし、売上の内4百万は受取手形です。
B/S
資産の部
現預金:8百万
受取手形:4百万
——————————-
資産合計:12百万
負債の部
負債:0
純資産の部
資本金:10百万
利益剰余金:2百万
——————————-
負債・純資産合計:12百万

この時の内部留保
P/L,B/S上だと無事に利益剰余金2百万が発生しているので、内部留保が確保できている様に見えます。
でも手持ちの現預金を期首と期末で比較してみると、、、
期首現預金:10百万 期末現預金:8百万
利益が2百万あったはずなのに、2百万減っていますね?これはなぜでしょうか。

それは受取手形が関係しています。受取手形は期日にならないとキャッシュインされません。
そのためP/L,B/S上では利益が出ていても、実際の手持ち現預金とは差額が生じてしまうのです。

第2期
続いて第2期も無事に終わりました。この期は思い切って借金をして倉庫購入し在庫も持つことにしました。
その結果、第1期より売上・利益を伸ばすことができました。
P/L
売上:20百万
費用:16百万
当期純利益:4百万
B/S
資産の部
現預金:4百万
受取手形:8百万
商品:5百万
倉庫:3百万
——————————-
資産合計:20百万
負債の部
負債:4百万
純資産の部
資本金:10百万
利益剰余金:6百万
——————————-
負債・純資産合計:20百万
ただしここでも現預金に着目してみると、、、
期首現預金:8百万 期末現預金:4百万
残り4百万しかありません!4百万借金して利益も4百万あるのになぜ減っているのでしょうか。。。
もうお分かりと思いますが、受取手形・倉庫・商品(在庫)が関係しています。商品の購入費用は販売出来ないとP/Lの売上原価として計上されません。倉庫の購入費用もP/Lに計上されません。
*固定資産は減価償却費としてP/Lに計上される。(今回は省いてます)

第2期を終えて
A社の利益剰余金と現預金を比較してみましょう。
利益剰余金:6百万 現預金:4百万
全然違いますね。
実際の企業会計はこんな単純ではありませんが、利益剰余金と現預金で乖離が生じるのは同じ理屈です。
今まできちんと読んでくれた人はわかると思いますが、内部留保(利益剰余金)はただの過去の成績の積み重ねです。
だから「企業の内部留保が◯◯兆円もある!」と騒ぐのはナンセンスすぎます。
企業経営陣からしたら「じゃあ内部留保(利益剰余金)を減らすために赤字出したら良いの?」となりますよね。
意味がわかりませんね。
次回
希望の党の掲げていた公約「内部留保課税」がなぜ批判を浴びたのか解説します。
[…] […]