こんにちは、今回はようやく理論株価 編です。
過去の記事はこちら
P/L,B/S
FCF
予想ROIC,ROE,ROA
株主資本コストの推計(&WACC算出)
ターミナルバリュー
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理論株価算出までの流れ
残りは以下の2ステップだけです。
1.事業価値の算出
今まで算出したFCF(Free Cash Flow),TV(Terminal Value)を現在価値に割りもどして合算
2.企業価値・株主価値の算出
「1.」で算出した事業価値とP/L,B/S実績値を合算
最後に算出した株主価値を発行済株式数で割れば財務指標で分析した理論株価が出ます。
事業価値の算出

–FCF
予想FCFをそのまま引用
–ターミナルバリュー
FCF10に加算
–割引現在価値算出
各年度FCFの現在価値を算出します。
現価係数(WACCの逆数)で各年度FCF(FCF10はTVとの合算)を割るだけです。
割引現在価値の算出
各年度のFCF(+TV)はあくまでも将来生み出される価値なので、現在価値に割戻さないといけません。
そこで現在価値に割戻すための指標としてWACCを用います。
理由を知りたい方はこの記事をご確認ください。とってもわかりやすく書かれています。
現在価値の算出式は以下の通りです。
現在価値=FCF×現価係数^n
n=年数
過去の記事でWACC=2.96%と算出しているので、上記の式を各年度に当てはめていけば簡単に事業価値を算出できます。
その結果、事業価値=186,964百万円と算出できました。
企業価値・株主価値の算出
事業価値が算出できたので理論株価算出まであと一歩です。
事業価値の算出で使用していない非事業価値と負債の実績値を合算するだけです。
この作業は全て実績値を引用すれば良いだけなので非常に楽です。

–企業価値の算出
事業価値の算出時に使用していない資産をB/S実績値から引用するだけです。
今回の場合、非事業用固定資産は無いので0でした。
これで対象企業の価値が算出できました。
–株主価値の算出
この企業価値から債権者分の価値を差し引きます。
この際も事業価値算出で使用していない負債をB/S実績値から引用するだけです。
結果、株主価値を200,360百万円と算出できました。
理論株価の算出
理論株価算出まであと1つの作業を残すだけです。
株主価値を発行済株式数で割ります。
〈理論株価算出式〉
200,360百万÷189,870,599
=1,055円
理論株価は1,055円と算出できました!

理論株価の幅
ただ、理論株価算出はまだ終わりではありません。
なぜならg(永久成長率)とWACCの値がとても大きく関係しているので、それらの影響を考慮しないといけないからです。
そのためにはg,WACCの値を少し変えて理論株価の幅を持ちます。。
今はg=0.5%,WACC=2.96%で算出していますが、g=0.4〜0.6%,WACC=2.9〜3.0%の幅で計算してみます。
すると理論株価は以下の通りになります。

結果、1,008円〜1,121円になりました。
では実際の株価と早速比較してみましょう!
実際の株価と比較
全然違いました(2020/1/14現在) 笑
しかもみんかぶ上では買い推奨なので、もっと株価は高まると予想されています。

ただ調べてみるとこんな情報もありました。
株テクというサイトでは財務指標上の理論株価が987円と算出されています。
https://www.kabutec.jp/company/fs_7936.html

これだと私が算出した理論株価をそこまで離れていません。
あながち大外れとも言えないようです。
この現象はどういうことなのでしょうか?
理論株価と現実の株価の乖離
理由はこのサイトにわかりやすく買いてありました。
https://f-inde.com/comparison-theoretical-stock-price/
「株価は需給割合で決まるから、企業本来の価値とかけ離れることがある。」「絶対的に正しい理論株価は存在しない。」そうです。
他にも投資の神様フォーレン・バフェットの師匠が残したこんな言葉があります。
短期的にみると、株式市場は人気投票装置である。しかし、長期的にみれば、価値計測装置である。
つまり短期的な株価は需給次第であるけれども、長期的な株価は企業価値で決まるということです。
株式投資で資産形成しようとする場合は、色々な指標を参考にして長期的な視点で考えた方がいいってことですね!
最後に
今回のアシックス編はこれにて終了です。
ただコーポレートファイナンスの勉強はなかなか面白かったので、これからも本ブログに勉強結果を投稿し続けようと思います。