こんにちは、今回はターミナルバリューの算定 編です。
これが終わったら次回ようやく理論株価が明らかになります!
過去の記事はこちら
P/L,B/S
FCF
予想ROIC,ROE,ROA
株主資本コストの推計(&WACC算出)
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ターミナルバリューの算定
ターミナルバリューとは
事業価値を算出するために将来FCFを算出しますが、10年目程度までしか現実的で妥当な予測はできません。
しかしgoing concernの前提にたつと、対象企業は11年目以降も存続する考えなくてはなりません。
従って11年目以降のFCFは、対象企業が一定成長するという仮定を置いて計算します。
11年目以降のFCFの現在価値の総和をターミナルバリュー(永続価値,TV)と呼びます。
〈計算式〉
TV = FCF10×{(1+g)/(WACC-g)}
FCF10:FCF10時点の税引後営業利益ー運転資本増価額
g:永久成長率
WACC:前回算出した指標

FCF10
合理的な企業は長期的に減価償却費の範囲内で設備投資をしていくと考えられます。
従って将来的には減価償却費=設備投資額と考えるべきです。
TV計算上はこの考えを念頭に、税引後営業利益から運転資本増価額だけを控除した数値を予測最終年度(今回であればFCF10)のFCFとして用います。
先日作成したFCFのFCF10をチェックしてみましょう。


この時NOPLAT:9,114百万、FCF:3,939百万となっています。
しかしTV計算上は前述の通り減価償却費=設備投資額と考えるので、NOPLATから運転資本増価額を除くだけとなります。
従ってTV計算上はFCF10=9,114-3,970=5,144百万円です。
g(永久成長率)
通常は中長期の物価上昇率と同程度に設定されるようです。
そのため日本企業であれば0-1%の間で予測をおきます。
今回は統計局ホームページで公表されている0.5%を採用しました。
TV算出
既に先日の記事でWACCを求めているので、これでTV算出のために必要な数字は全て揃いました。
〈TV算出〉
TV=5,144×{(1+0.5%)/(2.96%-0.5%)}
=209,822百万円
TVが無限大にならない理由
「永久成長率」を使っているし、計算式上は事業年度の終わりがありません。
だからTVは無限大になるのでは?とお考えの人もいると思います。
私もそう考えていました。
でもその心配をする必要はありません。なぜなら将来の価値は現在価値で割り引かれるからです。
例えば2,000万円する家を今プレゼントされたら嬉しいと思いますが、それが50年後、100年後、200年後なら全然嬉しくないですよね?
年数が増えれば増えるほど貰える喜びは減ります。
それが将来の価値を現在価値に割り戻す感覚で、TVが無限大にならない理由です。
例に出した2,000万円は割引率5%の場合、100年後の価値は15万円にしかなりません。345年後には価値が1円を下回ります。
最後に
次回遂に理論株価発表です!
お楽しみに!