こんにちは、ProgLearn;編集部です。
先日ソフトバンクの孫さんが「SoftBank World 2019」で「日本はAI後進国になってしまった」と発言して物議を醸していました。
AIをうまく活用できる企業だけでなく、人も絶対的に足りていないのが現状です。
その原因を過去に起きたAIブームや冬の時代を振り返ることで考察していきます。
AI冬の時代
人工知能(AI)の研究は1950年代から続いていますが、その過程ではブームと冬の時代が交互に訪れてきたとされています。
過去に2度のブームがあったとされているので、現在は第三次AIブームです。
しかし各ブームの間にはそれぞれAI冬の時代があり、AI人材の需要はその度に減ってきました。
このAI冬の時代が、現在日本でAI人材不足が起こっている理由です。
AI人材不足の理由について「本当は、ずっと愚かで、はるかに使えるAI 近未来 人工知能ロードマップ」という書籍でも以下のように解説されています。
直近の一五年にわたる「AI冬の時代」を生き残れず、淘汰され絶滅してしまったからです。一度、命脈を絶たれてしまった職種の人材を、事情が変わったからといって、いきなり探し出しても見つかるわけがありません。近視眼的な経営戦略が裏目に出た結果だと言えるでしょう。
https://news.livedoor.com/article/detail/17115440/
なぜ冬の時代が起こるのか
過去数回ブームと冬の時代を繰り返してきたわけですが、なぜ冬の時代がきてしまうのでしょうか?
それは社会がAIに期待することと、実際にできることの乖離が大きく幻滅されてしまうからです。
第一次AIブームと冬の時代
第一次AIブームは1950年代頃に起きました。
コンピューターによる「推論」や「探索」が可能となり、特定の問題に対して解を提示できるようになったことがブームの要因です。
冷戦下の米国では自然言語処理による機械翻訳が注目されましたが、当時のAIでは迷路の解き方や定理の証明のような単純な仮説の問題を扱うことしか出来ませんでした。
様々な要因が絡み合っているような現実社会の課題を解くことはできないことが明らかになり、冬の時代を迎えました。
第二次AIブームと冬の時代
第二次AIブームは1980年代です。
コンピューターに「知識」を与えることでAIが実用可能な水準に達し、多数のエキスパートシステムが生み出されました。
日本でも政府による「第五世代コンピュータ」と名付けられた大型プロジェクトが推進されています。
しかし当時はコンピューターが必要な情報を自ら収集して蓄積することはできなかったので、必要となる全ての情報を人がコンピューターに理解可能なように記述する必要がありました。
世にある膨大な情報全てを、コンピューターが理解できるように記述して用意することは現実的に不可能。。。
再び幻滅期が到来し、1995年頃から再び冬の時代になりました。
第三次AIブーム
第三次AIブームは2000年代から現在まで続いています。
まず現在「ビッグデータ」と呼ばれているような大量のデータを用いることでAI自身が知識を獲得する「機械学習」が実用化されました。
人が必要な知識を入力する必要がなくなったので、第二次ブーム終焉の原因を解決することが出来ました。
さらに知識を定義する要素をAIが自ら習得するディープラーニングが登場したことも、第三次ブームの背景はあります。
今後はどうなるのか?
冒頭でも解説した通り、過去2回のブームにおいてはAIが実現できる技術的な限界よりも、社会がAIに対して期待する水準が上回っていたため、その乖離が明らかになることでブームが終わったと評価されています。
そのため現在の第三次ブームに対してもAIの技術開発や実用化が最も成功した場合に到達できる潜在的な可能性と、
実現することが確実に可能と見込まれる領域には隔たりがあることを認識する必要があるとの指摘がされています。
例えばディープラーニングによる技術革新はすでに起きていますが、実際の商品・サービスとして社会に浸透するためには実用化のための開発や社会環境の整備が必要です。
実用化のための地道な取組が盛んになるほど、AIが社会にもたらすインパクトも大きくなり、その潜在的な可能性と実現性の隔たりも解消されると考えられています。
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